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人材派遣で外国人を雇うのは違法?コンプライアンスを守るための基礎知識

人材派遣で外国人を雇うのは違法?コンプライアンスを守るための基礎知識たいとるがぞう

「外国人を人材派遣で受け入れることは違法ではないのか」と不安に感じる企業担当者もいるかもしれません。

結論からいえば、外国人であることを理由に人材派遣が禁止されているわけではありません。外国人スタッフについても、日本人と同様に労働者派遣法のルールに従って受け入れることができます。

ただし、外国人の場合は在留資格と業務内容が適合していることに加え、派遣禁止業務に該当しないこと、適正な派遣契約を締結することなど、複数のルールを確認する必要があります。

また、派遣先による事前選考や、契約と実態が異なる偽装請負など、外国人・日本人を問わず労働者派遣で注意しなければならないルールもあります。

本記事では、人材派遣で外国人を受け入れる企業が知っておきたい違法・不適切になり得るケースや、派遣先企業が守るべきコンプライアンスについて解説します。

外国人を人材派遣で受け入れること自体は違法ではない

外国人の労働者派遣そのものを禁止する法律はありません。

派遣元となる会社が労働者派遣事業に必要な許可を受け、外国人スタッフが担当業務に従事できる在留資格を持ち、労働者派遣法などに沿って適正に運用されていれば、外国人人材を派遣で受け入れることができます。

派遣スタッフの雇用主は派遣会社

労働者派遣では、派遣元である派遣会社がスタッフを雇用し、そのスタッフが派遣先企業の指揮命令を受けて働きます。

そのため、「派遣で外国人を雇う」と表現されることがありますが、外国人スタッフと雇用契約を結ぶのは派遣先企業ではなく派遣会社です。

派遣先企業は、労働者派遣契約で定められた業務について、実際の現場で業務上の指揮命令を行う立場となります。

外国人だから特別な派遣制度になるわけではない

外国人スタッフにも、基本的には日本人と同じ労働者派遣のルールが適用されます。

一方、外国人の場合は、在留資格によって就労できる活動が異なります。そのため、通常の派遣ルールだけでなく、本人の在留資格と派遣先で担当する業務が適合しているかを確認する必要があります。

違法・不適切になり得る外国人人材派遣のケース

外国人人材派遣そのものは違法ではありませんが、受け入れ方法や実際の働かせ方によっては、法令違反や不適切な派遣につながる可能性があります。

特に注意したいケースを確認しておきましょう。

違法・不適切になり得る外国人人材派遣の5つのケースをまとめた図解

在留資格で認められていない業務に従事させる

外国人は、保有する在留資格によって就労できる活動が異なります。

在留期間が有効であっても、その在留資格で認められていない仕事に従事できるとは限りません。

外国人人材派遣では、雇用主である派遣会社が在留資格を確認するとともに、派遣先企業も実際に担当してもらう仕事内容を正確に派遣会社へ伝えることが重要です。

「外国人だから働けるか」ではなく、「その外国人が持つ在留資格で、今回の具体的な業務に従事できるか」を確認する必要があります。

派遣が禁止されている業務に従事させる

労働者派遣法では、すべての業務で人材派遣が認められているわけではありません。

港湾運送業務、建設業務、警備業務、一定の医療関係業務などは、原則として労働者派遣が禁止されています。

これは外国人だけに適用されるルールではなく、日本人を含む労働者派遣全体に適用されるものです。

外国人人材を受け入れる前に、自社で依頼する仕事が派遣可能な業務かを確認しておきましょう。

派遣契約と異なる業務を現場判断で任せる

労働者派遣契約では、派遣労働者が担当する業務内容などを定めます。

そのため、「今日は人手が足りないから別の作業をしてもらおう」と、派遣先の現場判断だけで契約内容と異なる業務を任せるのは適切ではありません。

派遣先には、契約内容に違反する業務上の指示を行わないよう、実際に指揮命令を行う担当者へ周知することが求められています。

業務内容を変更する必要がある場合は、まず派遣会社と相談し、契約内容や在留資格との適合性も含めて確認しましょう。

無許可の事業者から派遣を受ける

労働者派遣事業を行うには、原則として厚生労働大臣の許可が必要です。

外国人人材を多数確保できる、料金が安いといった理由だけで事業者を選ぶのではなく、適切な労働者派遣事業者であるか確認することが重要です。

契約前に会社情報や労働者派遣事業の許可番号、事業内容などを確認しましょう。

契約と実態が異なる「偽装請負」に注意する

契約書上は「業務委託」や「請負」となっていても、実態として発注企業が受託会社の労働者へ直接指揮命令している場合、「偽装請負」に該当する可能性があります。

労働者派遣と請負の大きな違いの一つは、発注者と労働者との間に直接の指揮命令関係があるかどうかです。

請負契約でありながら、発注企業の担当者がスタッフに作業方法や業務上の指示を直接行っている場合などは、契約名称だけで判断することはできません。

外国人人材を活用する際も、「派遣」「請負」「業務委託」の違いを理解し、契約形態と実際の働き方を一致させることが重要です。

派遣先企業が守りたいコンプライアンス

外国人人材派遣では、雇用主である派遣会社だけがルールを守ればよいわけではありません。

実際に外国人スタッフを受け入れ、業務上の指揮命令を行う派遣先企業にも守るべきルールがあります。

外国人人材派遣で派遣先企業が守りたい4つのコンプライアンスポイント

派遣労働者を事前に選別しない

紹介予定派遣の場合などを除き、派遣先が派遣される労働者を特定する目的で、派遣開始前に面接を行ったり、履歴書の提出を求めたりすることは、厚生労働省の派遣先指針で行わないこととされています。

例えば、「外国人スタッフだから事前に日本語力を面接で確認したい」といった場合でも、派遣先が採用面接のような形で人材を選別しないよう注意が必要です。

一方、スタッフ本人が自らの判断で就業前に事業所を訪問することなどまで禁止されているわけではありません。

重要なのは、派遣先が事前面接や履歴書提出を求め、誰を派遣するか選考する形にしないことです。

国籍を理由とした不利益な取り扱いをしない

日本国内で働く外国人にも、日本の労働関係法令が原則として適用されます。

労働基準法第3条では、使用者が労働者の国籍を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について差別的な取り扱いをすることを禁止しています。

派遣労働者の賃金などの労働条件については、雇用主である派遣会社が適切に設定・管理する必要があります。

派遣先企業においても、国籍を理由として業務上不利益な取り扱いをすることなく、適切な就業環境を整えることが重要です。

派遣契約に沿って指揮命令する

派遣先企業は、労働者派遣契約で定められた業務についてスタッフへ指揮命令を行います。

現場の管理者やリーダーが契約内容を把握していないと、知らないうちに契約外の業務を指示してしまう可能性があります。

外国人スタッフを配属する部署だけでなく、実際に指示を出す担当者まで業務範囲を共有しておくことが重要です。

派遣元と連携して安全衛生管理を行う

派遣労働者の安全衛生については、派遣元と派遣先がそれぞれ法律上の役割を担っています。

例えば、雇入れ時の安全衛生教育は派遣元が行いますが、派遣先で作業内容を変更した場合の安全衛生教育や、一定の危険・有害業務に必要な特別教育などは派遣先が担う場合があります。

特に製造現場では、設備や作業方法、立入禁止場所など、派遣先だからこそ把握している危険情報があります。

派遣元と必要な情報を共有し、それぞれの役割に応じて安全対策を行うことが重要です。

外国人スタッフが理解できる方法で業務を伝える

外国人スタッフの場合、日本語の理解度には個人差があります。

厚生労働省の外国人雇用管理指針では、労働条件などについて、外国人本人が理解できる方法で説明するよう配慮することが示されています。

実際の現場でも、難しい日本語や社内独自の表現だけに頼らず、必要に応じてやさしい日本語、図、写真、動画、多言語資料などを活用するとよいでしょう。

「説明したか」だけではなく、「本人が理解できているか」を確認することが、安全な就業環境づくりにつながります。

派遣元と派遣先の役割を整理しておこう

外国人人材を適切に受け入れるには、派遣会社と派遣先企業それぞれの役割を理解し、連携することが重要です。

外国人人材派遣における派遣元と派遣先企業の役割をまとめた図解

派遣会社が担う主な役割

派遣会社は外国人スタッフの雇用主です。

募集・採用、給与の支払い、雇用管理、在留資格と業務内容の確認など、雇用主として必要な対応を行います。

また、外国人を雇用する事業主として、外国人雇用状況の届出なども派遣元が行います。

派遣先企業が担う主な役割

派遣先企業は、労働者派遣契約で定められた範囲で業務上の指揮命令を行います。

また、派遣先が担う安全衛生上の措置や就業環境の整備、契約内容に沿った業務指示なども重要です。

「雇用主ではないから派遣先には責任がない」ということではなく、派遣元と派遣先それぞれに役割があります。

問題が起きたときは早めに情報共有する

勤務状況やコミュニケーション、担当業務、安全面などで問題が発生した場合、現場だけで対応を完結させないことが重要です。

スタッフ本人へ直接注意するだけで解決しようとせず、必要に応じて雇用主である派遣会社へ状況を共有します。

派遣会社と派遣先企業が早い段階から情報を共有することで、問題の長期化や認識のずれを防ぎやすくなります。

外国人人材派遣会社のコンプライアンス体制を確認するポイント

外国人人材派遣会社を選ぶ際は、料金や確保できる人数だけでなく、適切な派遣を行うための体制が整っているかも確認しましょう。

労働者派遣事業の許可を確認する

まず、労働者派遣事業を適正に行える事業者であるか確認します。

公式サイトや契約時の資料などで、会社情報や労働者派遣事業の許可について確認しておきましょう。

在留資格と具体的な仕事内容を確認しているか

外国人人材を適法に派遣するには、在留資格の名称だけではなく、派遣先で実際に担当する仕事内容との適合性を確認する必要があります。

「どんな業務を担当するのか」「どのような作業工程なのか」まで詳しくヒアリングする会社であるかは、重要なチェックポイントです。

派遣のルールについて企業側にも説明しているか

コンプライアンスは派遣会社だけで完結するものではありません。

事前選考、業務範囲、安全衛生、指揮命令などについて、派遣先企業にも必要な説明を行い、適切な受け入れ方法を共有してくれる会社を選ぶことが重要です。

就業開始後もフォローしているか

派遣開始時に契約を整えるだけではなく、就業後の状況を継続的に確認できる体制も重要です。

定期面談や巡回、通訳・翻訳、生活相談などを通じて、外国人スタッフと派遣先企業双方から状況を確認できる会社であれば、問題の早期発見・対応にもつながります。

信輝インターナショナルが外国人人材派遣をサポート

信輝インターナショナルでは、外国人材に特化した人材派遣を行い、企業の人材確保から派遣開始後のフォローまで支援しています。

業務内容や人材要件を確認して提案

外国人人材派遣を開始する前に、企業の業務内容や必要人数、必要なスキル、勤務時間、受け入れ体制などをヒアリングしています。

業務内容を確認したうえで人材を検討することで、企業と外国人スタッフ双方にとって適切な派遣につなげています。

法令に配慮した派遣開始までの対応

信輝インターナショナルでは、公式サイトの利用案内において、派遣開始前に求職者本人との採用面接は行わず、現場見学や顔合わせを実施する流れを案内しています。

こうした現場見学や顔合わせについても、派遣先が派遣労働者を特定・選別する目的の行為とならないよう、労働者派遣のルールに沿って実施することが重要です。

派遣という雇用形態のルールを踏まえながら、企業と外国人スタッフの双方が業務内容や就業環境を理解したうえで派遣を開始できるよう支援しています。

就業後も継続してフォロー

派遣開始後も、通訳スタッフによる巡回や定期面談、生活相談、住居の整備、在留資格の更新支援などを行っています。

人材を派遣して終わりではなく、就業後も企業と外国人スタッフ双方を継続的にフォローする体制を整えています。

まとめ

外国人を人材派遣で受け入れること自体は違法ではありません。

ただし、適切に利用するためには、在留資格と業務内容の適合性、派遣禁止業務、労働者派遣契約、派遣先による事前選考、指揮命令、安全衛生など、労働者派遣と外国人雇用の双方のルールを確認する必要があります。

また、契約書上は請負でありながら実態として発注企業がスタッフへ直接指揮命令する「偽装請負」など、契約名称と実際の働き方が一致しているかにも注意が必要です。

外国人人材派遣会社を選ぶ際は、人材数や料金だけで判断せず、労働者派遣事業の許可、在留資格と業務内容の確認体制、派遣先へのルール説明、就業後のフォローまで確認しましょう。

外国人人材を適切に活用するには、派遣会社へすべてを任せるのではなく、派遣元と派遣先がそれぞれの役割を理解し、継続して連携することが重要です。

出典元

  • 厚生労働省「労働者派遣事業」
  • 厚生労働省「派遣先が講ずべき措置に関する指針」
  • 厚生労働省「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」
  • 厚生労働省「労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド」
  • 厚生労働省「派遣労働者に係る労働条件及び安全衛生の確保について」
  • 厚生労働省「外国人雇用管理指針」
  • 厚生労働省「外国人雇用状況の届出」
  • 東京労働局「偽装請負について」
  • 労働者派遣法
  • 労働基準法
  • 労働安全衛生法
  • 出入国管理及び難民認定法
  • 信輝インターナショナル株式会社 公式サイト・事業内容

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